こんにちは!
設計部の石堂です。
今回は、コンクリートブロック塀の調査の実例紹介です。
お客様より、「家のブロック塀にひびが入っている。大丈夫か調べてほしい」とのご依頼があり、お伺いしました。
一般的にはコンクリート塀と呼ばれるものには大きく分けて2種類あります。
ブロックなどを単に積み上げてつくられた「組積造」と呼ばれるものと、
コンクリートブロックを積み上げる際に鉄筋で補強された「補強コンクリートブロック塀」です。
中地震・大地震が起きた際に、ブロック塀が倒壊して人が下敷きになったとニュースになることが多いのですが、
危険なブロック塀かどうかは以下のようなチェック項目で確認します。
組積造(れんが造、石造、鉄筋のないブロック造)の塀の場合
① 塀の高さは地盤から1.2m以下か
② 塀の厚さは十分か
③ 塀の長さ4m以下ごとに、塀の厚さの1.5倍以上突出した控え壁があるか
④ 芋目地になっていないか
⑤ 基礎があるか
⑥ 塀は健全か
補強コンクリートブロック造(鉄筋が入ったブロック造)の塀の場合
① 塀の高さは地盤面から2.2m以下か。
② 塀の厚さは10cm以上か。(塀の高さが2m超2.2m以下の場合は15cm以上)
③ 控え壁はあるか(塀の高さが1.2m超の場合)塀の長さ3.4m以下ごとに、塀の高さの1/5以上突出した控え壁があるか。
④ 基礎(コンクリートの基礎)があるか。
⑤ 塀に傾き、ひび割れはないか。
前置きが長くなりましたが、今回もこのチェックポイントに基づいて調査していきます。
まずは鉄筋が入っているかの確認です。
これ次第で「組積造」か「補強コンクリートブロック造」かが分かれますので一番最初に確認します。
図面等が残っており、明記されていればよいのですが、
実際はわからないことが多いため、金属探査機を用いて調査します。
緑のテープを張ってあるところが金属探査機の反応が出たところです。(鉄筋があると予測される箇所)
80cm以下の間隔で反応がありましたので、「補強コンクリートブロック造」であることがうかがえます。
次に塀の高さと厚みの確認です。
瓦が乗っている部分を除くと高さが1.4mありました。
厚みは15cmでしたので、チェック項目の①②はクリアです。
次に控え壁の確認です。
基準では1.2mを超える塀の場合、3.4m以下ごとに控え壁必要とされていますが、
現状、控え壁が見当たりません。
チェック項目の③は不適合となります。
ちなみに下部に基礎は確認できましたので④はクリアしています。
最後に傾き・ひび割れの確認です。
ひび割れがしていることが今回の調査のきっかけでしたので、
該当箇所のひび割れの状態を確認します。
クラックスケールで測定すると約5㎜の幅のひび割れとなっていました。
チェック項目⑤も不適合となります。
このように詳細を現場確認した後、
事務所にて不適合になった個所や状況を図面と報告書にまとめて後日提出し業務終了となります。
危険なブロック塀を撤去する場合は、市町村の補助を受けられる可能性もありますので、
これらの調査報告書が重要になります。
補助金の詳細は各市町村のHPなどでご確認ください
↓姫路市のホームページ
https://www.city.himeji.lg.jp/sangyo/0000002749.html
もちろん状況やご希望に応じて、補強などの対策工事もご提案させていただきますので、
お家の塀が心配・・・という方はぜひご相談ください。
調査時間:1時間~2時間程度
報告書作成日数:3~7日
調査・報告資料作成費:10000円






