長い年月、ご家族の歴史を見守り続けてきた築80年のお住まい。「建て替えて新しくする」という選択肢もありましたが、お客様が選ばれたのは、柱や梁に刻まれた記憶を残し、建物を再生させる「リノベーション」でした。 代々受け継がれてきた大切な家だからこそ、次の世代も安心して暮らせる強さと、現代の生活にフィットした快適さを。懐かしさと新しさが美しく調和した、再生の記録をご紹介します。
減築で叶えた「ゆとり」と、徹底した「耐震化」 現代の車社会に対応するため、増築されていた部分や、長年使われていなかった蔵を思い切って減築・解体しました。建物の形状を整えることで、敷地内に広々とした駐車スペースを確保。日々の使い勝手が格段に向上しています。
また、築80年の家をこれからも永く支えるため、屋根は重い土葺きの瓦から、軽量瓦へと全面葺き替えを行いました。建物の頭を軽くした上で、基礎や構造躯体には現代の基準に合わせた耐震補強を実施。地震への不安を取り除き、ご家族の命を守る強い住まいへと生まれ変わりました。
真冬でも足元まで暖かい。新築同様の「断熱性能」へ 「古い家は寒い」という常識を覆すため、断熱改修には特に力を入れました。 熱の出入りが最も多い窓には、すべて高断熱サッシを採用。さらに、壁・床・天井すべてに高性能な断熱材を隙間なく施工しました。 外気の影響を受けにくい魔法瓶のような構造にすることで、夏は涼しく、冬は足元から暖かい空間を実現。ヒートショックのリスクも軽減し、一年中健やかに過ごせる「年中安心」な環境を整えています。
思い出の建具が、空間の主役として蘇る 新しく綺麗にするだけが、リノベーションではありません。 かつての客間で使われていた味わい深い欄間(らんま)や、職人の手仕事が光る木製建具。これらを廃棄することなく、職人の手で丁寧に補修・調整し、新しい空間のアクセントとして再利用しました。 モダンなLDKの中に、時を経た欄間が佇む景色は、新築には決して出せないこの家だけの魅力。ふとした瞬間に家の歴史を感じられる、温かみのあるデザインに仕上がっています。ネコちゃん用のペットドアも要所に設置しています。
80年の歴史をリセットするのではなく、性能という「安心」を重ねてアップデートする。 ご家族の想い出はそのままに、これからの暮らしに寄り添う、世界に一つだけの住まいが完成しました。
































