近年、PFAS汚染の報道をよく目にします。
PFAS（ピーファス）とは、ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物の総称です。自然界で分解されにくく、人体や環境中に長く残留することから、「永遠の化学物質（Forever Chemicals）」とも呼ばれています。
その種類は1万以上あるとされ、中でも代表的なものにPFOA（ペルフルオロオクタン酸）とPFOS（ペルフルオロオクタンスルホン酸）があります。
PFASは、炭素とフッ素の非常に強い結合を持つため、水や油をはじく、熱に強い、薬品に強い、光を吸収しないといった優れた特性を持っているので
このユニークな性質から、私たちの生活の様々な場面で利用されています。
例えば
調理器具： フライパンや鍋の焦げ付き防止コーティング
食品包装： ハンバーガーの包み紙やピザの箱などの油をはじく加工
衣類・カーペット： 防水・防汚スプレー、撥水加工のアウトドアウェア
泡消火剤： 航空機火災などで使用される高性能な消火剤
その他： 半導体の製造、自動車部品、医療機器などです
PFASの最大の問題点は、分解されにくさにあります。環境中に放出されると、水や土壌に長期間残留し続けます。また、食物連鎖を通じて生物の体内に蓄積されやすい（生体蓄積性）という性質も持っているので
がんのリスク増加（腎臓がん、精巣がんなど）
免疫系への影響（ワクチン効果の低下など）
コレステロール値の上昇
妊娠中の高血圧症
胎児や乳幼児の発育への影響（低出生体重など）の健康リスクが懸念されています。
現在は、世界的にPFASに対する規制が強化されています。特にPFOAとPFOSは、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約（POPs条約）で製造・使用が原則禁止されて、日本でもこの条約を受け、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律（化審法）に基づき、PFOA、PFOSおよびその関連化合物を「第一種特定化学物質」に指定し、製造や輸入を原則禁止しています。また、水道水や河川水における目標値（暫定）を設定し、国、自治体が監視を続けています。今後さらに多くのPFAS関連物質が規制対象となる予定だそうです。
キッチンの水栓を浄水機能付きにする方も増えていますがLIXILやタカギ、パナソニックなどの浄水カートリッジは８０％以上PFASを除去できるそうです。少しでも気になる方は、早めにキッチンの水栓交換などご検討されてはいかがでしょうか。
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